英国、DeFi取引への課税を繰り延べへ

HMRCは、一部の暗号資産レンディングや流動性プールへの課税を、資産が実際に処分されるまで繰り延べる。

英国、DeFi取引への課税を繰り延べへ

英国の税務当局である歳入関税庁(HMRC)は、分散型金融(DeFi)に関連する一部の取引について、課税ルールを変更する。2027年4月6日から、一定の要件を満たすレンディングや自動流動性プールに暗号資産を預け入れても、直ちにキャピタルゲイン税が課されることはなくなる。課税が発生するのは、資産が経済的な意味で実際に処分された時点となる。

新たな規則は個人と受託者を対象とし、1992年課税対象利益法(Taxation of Chargeable Gains Act 1992)の改正が必要となる。

現行制度では、暗号資産の売却、交換、譲渡によってキャピタルゲイン税が発生する場合がある。税率は、基本税率が適用される納税者の場合は18%、高税率が適用される納税者の場合は24%となっている。

HMRCは、利用者が暗号資産をレンディング・プロトコルや流動性プールに預け入れても、その資産に対する経済的権利を維持している取引について、課税を抑える方針だ。新たなルールは約70万人に影響すると見込まれている。

今回の変更は、2022年に公表されたHMRCのガイダンスに対する批判を受けたものだ。暗号資産業界からは、実際には利益が発生していないにもかかわらず、納税義務が生じる可能性があるとの指摘が出ていた。HMRCは2022年7月に意見募集を開始し、2023年に正式な協議を実施した。その結果は2025年度予算に合わせて公表され、新たな方針は2026年7月13日に正式に確認された。

新制度は3つのケースを対象とする。その一つが、単一種類の暗号資産を貸し出す場合だ。同じ種類の暗号資産に関する取引であれば、資産を移転し、その見返りとして持分を受け取っても、課税対象となる利益や損失は発生しない。

貸し出された資産は、貸付日の市場価格に基づいて評価される。同じ暗号資産が返還された場合、その返還は同額での資産処分として扱われる。また、担保は税額の計算に含まれない。

同様のルールは、スマートコントラクトによって運用され、少なくとも2種類の適格暗号資産を含む自動流動性プールにも適用される。利用者がプールから資産を引き出す際、税制上中立となるのは、当初預け入れた数量と同じ部分に限られる。それを上回る、または下回る差額については、課税対象となる利益または控除可能な損失が発生する。

Share