Algorand、2027年までに耐量子暗号への移行完了を目指す
Algorandは2027年末までに耐量子暗号への完全移行を完了する計画を発表した。
プルーフ・オブ・ステーク(PoS)を採用するブロックチェーンネットワークのAlgorandは、2027年末までに耐量子暗号(ポスト量子暗号)への完全移行を実現する方針を明らかにした。この決定は、暗号資産業界で広く利用されている現在の暗号技術に対し、量子コンピューターの発展がもたらす潜在的な脅威への懸念が高まっていることを背景としている。
プロジェクトチームは、研究開発の進捗状況、実装計画、および耐量子暗号技術の導入に向けたロードマップを公開した。Algorandの開発チームによれば、量子コンピューターの進化はブロックチェーン技術の安全性にとって最も大きな課題の一つになると考えられている。
最近では、Google Quantum AIがAlgorandを、耐量子暗号の導入が可能なスマートコントラクトプラットフォームの一つとして挙げた。Algorandはすでに2025年に、耐量子暗号技術によって保護された初のトランザクションの実行に成功しており、完全移行は今後2年以内に完了する見込みだ。
最初の重要なステップとして、2026年第3四半期に予定されているプロトコルアップグレードにおいて、耐量子アカウントのネイティブサポートが導入される予定である。現在、AlgorandはAlgorand Virtual Machine上で動作するFalconベースのアカウントを利用しており、耐量子署名の有効性はすでに実証されているものの、ネットワークのメインレジャーではまだ直接サポートされていない。
次の段階では、従来のSDK、ハードウェアウォレット、AlgoKitを含むエコシステム関連ツールのアップデートが進められる。また、既存のEd25519アカウントと併用可能な新たな署名方式への対応拡大も計画されている。
さらに、2026年末までに複数の暗号技術を組み合わせたネイティブなマルチシグ機能の実装を目指している。この機能は、機関投資家による資産管理、トレジャリー運営、そして高度な金融アプリケーションなどでの活用が期待されている。
プロジェクトの最終段階の一つとして、耐量子マルチシグ技術の開発も進められる。この仕組みにより、署名ごとの重み付け設定や、従来型と耐量子型の認証方式を組み合わせたハイブリッド認証が可能となり、将来の暗号標準への移行も容易になる見通しだ。これにより、現在の脅威だけでなく、量子コンピューター時代に予想される新たなリスクにも対応できる強固なセキュリティ基盤の構築を目指している。
なお、耐量子暗号への取り組みを進めているのはAlgorandだけではない。EthereumやRippleなどの主要なブロックチェーンネットワークも、同様の技術開発と導入に向けた取り組みを進めている。