香港、偽装暗号資産ウォレット詐欺に警鐘
偽のFPSサイトが個人情報を狙う中、香港は暗号資産市場の安全対策を強化している。
香港銀行間決済機関(Hong Kong Interbank Clearing Limited:HKICL)は、公式のFaster Payment System(FPS)を装った偽サイトについて注意を呼びかけた。詐欺グループは現金報酬を約束して利用者を誘い、偽の暗号資産ウォレットサービスを利用して個人情報や銀行口座情報を盗み取ろうとしている。
7月10日に公表された声明によると、偽サイトは「Buyer Online Security Protection」と呼ばれる架空のサービスを宣伝し、利用者に本人確認手続きを行うよう促している。報酬を受け取れると信じ込ませたうえで、香港身分証番号、本人確認書類の写真、電話番号、銀行口座情報、口座名義人の氏名などの入力を求める。その後、FPSを利用して仮想ウォレット経由で資金の入出金を行うよう誘導するという。
これらのサイトは公式サービスを装った精巧なデザインとなっており、資金の回復支援や不正取引の報告、カスタマーサポートへの問い合わせなども提供しているように見せかけている。しかし、HKICLはこれらのサイトが同社とは一切関係ないことを強調した。また、HKICLはFPSサービスを一般利用者へ直接提供しておらず、このような内容で個別に連絡を取ることもないとしている。
HKICLは、公式ウェブサイトは hkicl.com.hk と fps.hkicl.com.hk のみであると改めて案内した。不審なメッセージを受け取った場合は、公式窓口を通じて真偽を確認するよう呼びかけている。また、詐欺被害に遭った可能性がある場合は、速やかに警察へ届け出るよう推奨している。
今回の警告は、香港が暗号資産市場の安全対策を一段と強化している中で発表された。今週初めには、香港証券先物委員会(Securities and Futures Commission:SFC)が、ライセンスを取得したデジタル資産取引所およびブローカーに対し、SMS認証によるログインをフィッシング耐性のある認証方式へ今後12か月以内に移行するよう求めた。
SFCは、パスキー、登録済みデバイスを利用した認証、ハードウェアセキュリティキーなどを認証手段として認めている。また6月には、Aurum/Aurum Foundationを警告リストに追加し、必要なライセンスを取得せずにデジタル資産関連サービスを提供していた可能性があるとして注意を促した。