含み益課税制度に修正の可能性?

オランダ政府は、投資資産の含み益に対する新税制の見直しを検討している。

含み益課税制度に修正の可能性?

今年2月にお伝えした通り、オランダ議会は投資資産の含み益に課税する新たな法案を可決した。この制度は、株式や債券、預貯金、さらには暗号資産(仮想通貨)など幅広い資産を対象としている。しかし現在、この改革をめぐる議論が再び活発化している。政府が制度の影響を緩和するための修正案を準備しているためだ。

現行の法案では、個人投資家は保有資産の価値上昇分に対して毎年36%の税金を支払うことになる。実際に資産を売却していなくても課税対象となる点が特徴で、新制度は2028年1月の施行が予定されている。

なかでも最も大きな議論を呼んでいるのが、暗号資産を課税対象に含めることだ。暗号資産は価格変動が非常に激しいため、投資家は実際には利益を確定していないにもかかわらず、多額の税負担を求められる可能性がある。

例えば、課税評価日に保有する暗号資産の価値が10万ユーロだった場合、税額は約3万6,000ユーロに達する可能性がある。その後わずか1週間で同じポートフォリオの価値が1万ユーロまで下落したとしても、投資家は依然として以前の評価額に基づいて算出された税金を支払わなければならない。その結果、資産を一切売却していないにもかかわらず、実質的な損失を被ることになりかねない。

投資家や経済団体から強い批判が寄せられたことを受け、ロブ・イェッテン首相率いる現政権は制度の修正を行う方針を示している。財務省は、新制度による負の影響を軽減するための対策を検討しており、具体的な内容は6月末までに公表される見通しだ。

今回の改革は、裁判所によって問題視された従来の「みなし収益課税制度」に代わるものとして導入が進められている。しかし、新たな制度についても懸念の声は少なくない。批判派は、制度が複雑であることに加え、投資家の資金繰りに悪影響を及ぼす可能性や、オランダの投資先としての魅力を低下させるリスクを指摘している。

現在検討されている修正案の一つには、過去に課税された含み益に対して、その後発生した損失を控除できる仕組みが含まれている。また政府は、スタートアップ企業や急成長企業に関する特別なルールについても検討を進めている。これらの企業や不動産については、引き続き含み益課税の対象外とし、売却時にのみ課税する方向で調整が行われている。

法案は2月に下院で可決され、現在は上院で審議中だ。修正案を導入するためには再度の採決が必要となり、少数与党政権は野党の一部から支持を得る必要があるとみられている。

一部の上院議員は、オランダは含み益課税そのものを撤回し、資産売却時にのみ課税する従来型のキャピタルゲイン課税へ移行すべきだと主張している。この方式は、多くの先進国で採用されている。

政府も最終的にはそのような制度への移行を目指していると説明しているが、2028年に予定されている改革自体を取りやめる考えはない。政府によれば、法案を撤回した場合、国家予算に大きな穴が生じる恐れがあるという。

新たな「Box 3」制度は、オランダ国内の個人納税者を対象とする予定だ。機関投資家や多くの海外投資家は、この制度の適用対象外となる。

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