トランプ氏、ブラジルの決済システム「Pix」を標的に

米国がブラジルに関税を課す中、即時決済システム「Pix」が対立の焦点となっている。

トランプ氏、ブラジルの決済システム「Pix」を標的に

ブラジルは長年にわたり、国内独自の決済市場を整備し、海外事業者への依存を減らしてきた。その中核を担うのが、ブラジル中央銀行が2020年に導入した即時決済システム「Pix」だ。

Pixを利用すれば、スマートフォンや決済キー、QRコードを使って、送金や買い物の支払いを即座に行うことができる。一般的な銀行振込と似ているが、資金がほぼ瞬時に受取人へ届く点が特徴だ。2024年には630億件の取引を処理し、その総額は26兆4,000億レアルに達した。

Pixの普及により、ブラジルの決済市場では競争が活発になった。特に、カード決済やその他の電子決済を扱う企業に大きな影響を与えている。しかし、ブラジル独自の決済サービスが存在感を増していることを、すべての関係者が歓迎しているわけではない。

米国は、ブラジル政府がPixを優遇し、米国の決済企業を不利な立場に置いていると主張している。米政府はこの問題を、ブラジルから輸入される大半の商品に25%の関税を課す理由の一つとして挙げた。

今回の決定は、通商法301条に基づいて1年間にわたり実施された調査を経て発表された。調査の対象には、デジタル貿易や電子決済をはじめとする複数の問題が含まれていた。関税は7月22日に発効する予定だが、一部の商品は対象外となる。

米国の関税措置には、ブラジル政府と同国の決済市場への圧力を強める狙いがある。米政府は、Pixが従来のカードネットワークや海外の決済サービスの役割を縮小させることから、米国企業にとって脅威になるとみている。

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