カザフスタン、初の暗号資産取引所ライセンスを発行

カザフスタンが初の暗号資産取引所ライセンスを発行し、市場開放に向けた新たな一歩を踏み出した。

カザフスタン、初の暗号資産取引所ライセンスを発行

カザフスタンは、これまでアスタナ国際金融センター(AIFC)の特別制度内に限定されていた暗号資産(仮想通貨)取引所の運営について、初めてその枠外で営業できるライセンスを発行した。ライセンスはカザフスタン国立銀行によって、国内企業のPax Financeに付与された。

アスタナに本社を置くPax Financeは、暗号資産の売買、保管、法定通貨との交換サービスを提供できるようになった。また、国内各地への支店開設やビットコインATMの設置も認められている。カザフスタンでは2026年5月1日に暗号資産事業者向けのライセンス制度が導入され、事業を合法的に運営するためには中央銀行への登録とライセンス取得が義務付けられている。

Pax Financeは2026年5月20日に設立された。同社の創業メンバーには、EYやアスタナ国際金融センター(AIFC)での経験を持つアルマン・バタエフ氏や、中央アジア初となるブロックチェーン・暗号資産スタートアップ向けWeb3アクセラレーターの共同創設者であるアザト・ベクマガンベトフ氏など、カザフスタンの金融・フィンテック業界で実績を持つ人物が名を連ねている。

カザフスタンは、中国が暗号資産マイニングを禁止した後、世界の暗号資産市場で存在感を高めた。それまで合法的な暗号資産取引はAIFC内で認可された取引所に限られていた。2023年施行のデジタル資産法によって暗号資産は法的に認められたものの、その利用範囲は限定的だった。

実際には、多くの取引が個人間取引(P2P)や海外の未登録取引所を通じて行われていた。2026年には政府が制度を見直し、地下経済の縮小と地域の暗号資産ハブとしての地位確立を目指す新たな規制を導入した。これにより、AIFCの枠外でもライセンスを取得した事業者による合法的な取引サービスの提供が可能となった。

今回のPax Financeへのライセンス付与は、カザフスタンの暗号資産市場にとって新たな節目となる。一方で、当局は違法な取引所への取り締まりも強化している。2026年初めから現在までに約130の無許可プラットフォームが閉鎖され、総額1億2,700万ドル相当の取引が確認された。また、500万ドルを超える資産も押収されている。

政府は暗号資産が国外への不正な資本流出に利用されている可能性があるとみており、カシムジョマルト・トカエフ大統領はこうした行為の取り締まり強化を求めている。その一方で、カザフスタンは暗号資産決済の合法化も進めている。テンゲは引き続き唯一の法定通貨として維持されるが、デジタル資産保有者は暗号資産を自動的に法定通貨へ換算する暗号資産対応カードを利用し、商品やサービスの支払いが可能になる予定だ。

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