なぜビットコインは上昇しないのか?

ノボグラッツ氏は、投資家の関心がAIに集中する中、ビットコインは調整局面にあると語る。

なぜビットコインは上昇しないのか?

ビットコインはここ数か月、大きな上昇トレンドを取り戻せずにいる。その理由について、著名な投資家であり億万長者でもあるマイケル・ノボグラッツ氏は「非常にシンプルだ」と説明する。現在、投資家の注目は人工知能(AI)、データセンター、そして半導体業界に集まっており、以前であれば暗号資産市場に流入していた資金の多くが、これらの成長分野へと向かっているという。

しかし、Galaxy Digitalの創業者であるノボグラッツ氏は、これをビットコインにとっての問題とは考えていない。同氏によれば、ビットコインはこれまでの大幅な上昇の後に自然な調整・持ち合い局面に入っているだけだという。史上最高値から約40%下落しているものの、これは市場の崩壊や深刻な危機の兆候ではない。むしろ、次の上昇局面を後押しする強力な材料が不足しているため、市場が一時的に落ち着いている状態だと分析している。

マクロ経済環境も影響を与えている。ノボグラッツ氏は、近い将来に利下げが実施される可能性は低いと見ており、その結果として暗号資産のようなリスク資産への新たな資金流入が限定されていると指摘する。

また、同氏は投資家の間で注目されるビットコインの半減期サイクルについても言及した。現在は供給量の減少そのものよりも、市場心理の方が大きな役割を果たしているという。半減期後に価格が上昇するという期待は、一種の自己実現的な予言となっており、昨年末に利益確定を行った投資家の判断は正しかったとの見方を示した。

短期的な視点では、ノボグラッツ氏は7万2,000〜7万3,000ドルの価格帯と、6万ドル前後をビットコインの重要なサポート水準として挙げている。

インタビューでは、BlackRockのビットコインETFに関連する13億ドル規模の取引についても話題となった。この取引は市場外で実施され、これほど大規模な売却にもかかわらず、約定価格は当時のビットコイン市場価格よりわずか約2%低い水準だったという。ノボグラッツ氏は、この事例がビットコイン市場の高い流動性を示していると評価した。

さらに同氏は、Galaxy Digitalが昨年、ある機関投資家のために総額90億ドル相当のビットコイン売却を支援したことにも触れた。この大規模な取引が市場に与えた影響は限定的だったとされ、それはビットコイン市場の厚みと成熟度の高さを示しているという。こうした事例は、暗号資産への投資を検討している大手金融機関にとって重要なシグナルになると同氏は考えている。

最後に、ノボグラッツ氏は米国の規制環境についても見解を示した。同氏は、米議会が「CLARITY Act」を可決する可能性についての予想を95%から60%へと引き下げた。その理由として、政治的な対立の激化や選挙の接近により、法案審議が難しくなっていることを挙げている。それでもなお、同氏はこの法案が米国における暗号資産市場の健全な発展にとって重要な役割を果たすと考えている。

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