EBA、MiCA違反に対する制裁強化を提案

EBAはMiCA違反への制裁強化を提案。7月1日以降、無認可の暗号資産企業は処分対象となる。

EBA、MiCA違反に対する制裁強化を提案

欧州連合(EU)で事業を展開する暗号資産企業は、MiCA(暗号資産市場規則)違反に対する制裁が今後さらに厳格化される可能性がある。欧州銀行監督機構(EBA)は、加盟国全体で制裁基準を統一することを目的とした新たなルール案を公表した。

提案によると、重要な資産参照型トークン(ART)の発行体には、年間売上高の最大12.5%に相当する制裁金が科される可能性がある。一方、重要な電子マネートークン(EMT)の発行体については、上限が年間売上高の10%となる。また、違反によって得た利益の最大2倍に相当する罰金が科されるケースも想定されている。

6月26日に公表された草案では、制裁金の算定方法についても詳細が示された。監督当局はまず違反の重大性を評価し、その後、情状酌量要素や加重要素を考慮して最終的な制裁額を決定する。EBAは、この新たな枠組みにより、EU加盟国全体で一貫した制裁運用が実現するとしている。

今回の提案は、暗号資産業界にとって重要な期限を目前に控えて発表された。7月1日以降、EU域内で暗号資産サービスを提供する企業は、各国の規制当局が発行するMiCAライセンスの取得が義務付けられる。認可を受けていない企業は、EU市場で暗号資産サービスやステーブルコインを合法的に提供できなくなり、新たなルールに基づく行政措置や制裁の対象となる可能性がある。

本草案に対するパブリックコメントの受付は9月28日まで行われる。市場関係者はその期間中に意見を提出することができ、その後EBAが最終版の規則を策定する予定だ。

こうした規制強化は、すでに市場にも影響を及ぼしている。Binanceは期限までにMiCAライセンスを取得できなかったことから、欧州事業の一部縮小を進めている。同社はギリシャでのライセンス申請を取り下げ、新たに別のEU加盟国で認可取得を目指す方針を示した。また、7月1日以降はEU域内の新規顧客の受け入れを停止し、既存ユーザー向けサービスの一部を制限する一方で、資産の出金機能は継続するとしている。

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