円、40年ぶりの安値を更新

円が1986年以来の最安値を記録。市場では日本政府・日銀による為替介入への期待が高まっている。

円、40年ぶりの安値を更新

円相場は米ドルに対して約40年ぶりの安値を更新した。火曜日の東京市場では、1ドル=162円を上回り、1986年12月以来となる水準に達した。今年に入ってから円はすでに3%以上下落している。

円安の背景には、イランを巡る紛争が世界経済へ与える影響への懸念や、日本銀行がインフレ抑制に苦戦していることがある。原油価格の上昇は物価上昇圧力をさらに強め、市場では日銀の対応が経済環境の変化に比べて遅れているとの見方が広がっている。

為替相場が1ドル=162.27円まで下落したことを受け、官房長官の木原稔氏は、必要であれば政府は為替市場への介入をためらわないとの姿勢を示した。投資家の間では、日本政府が4月と5月に実施したような大規模な円買い介入を再び行う可能性が意識されている。

円安を後押ししているもう一つの要因は、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策である。米国で追加利上げが実施されるとの見方が強まり、ドル高が進む一方で、投資資金は米ドル建て資産へ流入している。

また、高市早苗首相が6月末に発表した総額2.3兆ドル規模の官民投資計画も市場の注目を集めている。14年間にわたって実施される予定だが、財源に関する具体的な説明が示されていないことから、財政支出の拡大や政府債務の増加を懸念する声も出ている。

さらに、日経225株価指数の過去最高値更新も円に下押し圧力をかけている。先週、AIや半導体関連企業への海外投資が活発化したことで、指数は72,000ポイントを突破した。こうした投資に伴う為替リスクのヘッジ取引が円売りを一段と促している。

市場関係者の多くは、仮に政府・日銀が為替介入を実施したとしても、その効果は一時的なものにとどまる可能性が高いとみている。日本の5月のインフレ率は1.5%だった。日本銀行は6月中旬に政策金利を約1%へ引き上げ、1995年以来の高水準となったものの、市場では来年1月までに追加利上げは0.25ポイント程度にとどまるとの予想が優勢だ。一方、FRBは現在の3.5~3.75%の政策金利からさらに1~2回の利上げを行うとの見方が強く、今後もドル高と円安圧力が続く可能性がある。

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