ロシア、海外発行の暗号資産に規制強化へ

ロシアは2026年7月から一部の海外暗号資産に新たな手数料と規制を導入する方針だ。

ロシア、海外発行の暗号資産に規制強化へ

ロシア政府は、一部の海外発行の暗号資産(仮想通貨)の利用を抑制するため、新たな規制の導入を進めている。政府が準備している法案には、ロシアが「非友好的」とみなす国々の企業が発行するトークンの利用を投資家に控えさせることを目的とした措置が盛り込まれている。具体的には、追加手数料の導入や取引制限、利用者に対する新たな要件の設定などが検討されている。

イワン・チェベスコフ財務次官によると、この法案では、外国当局の要請に応じて資産を凍結できる発行体のトークンからロシア国民を遠ざけるため、経済的な優遇措置や政府による推奨策が導入される予定だ。法案は6月中に国家院(下院)で可決され、2026年7月1日に施行される見通しとなっている。

法案によれば、適格投資家の資格を持たない個人投資家は、ビットコイン、イーサリアム、そしてステーブルコインのUSDTのみを取引できるようになる。一方で、USDCやBNBなどは承認リストから除外される見込みだ。ロシア当局は、これらのトークンについて、発行体が利用者の資金を凍結できる可能性があるため、リスクが高いと判断している。

当局は当初、USDTを全面的に禁止する案も検討していた。しかし、業界関係者からの反発を受け、最終的には取引を継続できるよう方針を修正した。

新たな手数料の具体的な水準はまだ公表されていない。Freedom Globalのアナリストであるウラジーミル・チェルノフ氏は、「非友好的」なトークンに対して0.5%から2%、同カテゴリーのステーブルコインに対しては最大3%の手数料が課される可能性があると予測している。一方で、手数料が過度に高くなれば、一部の利用者が非合法な取引へ流れる恐れがあるとも警告している。

また、この法案では投資家向けの知識テストの義務化、年間取引額の上限設定、資金引き出し時の待機期間の導入、さらにはウォレット間での資産移転に対する制限なども盛り込まれる予定だ。

こうした規制強化はロシア国内にとどまらず、世界の暗号資産市場にも影響を与える可能性がある。Chainalysisによると、2024年7月から2025年6月までの間にロシアへ流入した暗号資産取引額は約3,760億ドルに達し、欧州で最大規模となった。

弁護士のユーリー・ブリソフ氏は、ロシアの投資家が海外の暗号資産取引所へ年間約150億ドルの手数料を支払っていると推計している。モスクワ政府は、こうした資金を国内で認可された取引プラットフォームへ誘導したい考えだ。

さらに、7月1日からは暗号資産取引所に対するライセンス制度も導入される見込みだ。ロシア国内での認可を受けず、現地拠点を持たない海外取引所はアクセス制限やブロックの対象となる可能性がある。特にBinanceやHTXといった大手取引所は、新制度の影響を大きく受けるとみられている。

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