EU、暗号資産取引所HTXを制裁対象に
EUは、ロシアの制裁逃れを支援した疑いがあるHTXとの取引を禁止する。
欧州連合(EU)は、ロシアに対する最新の制裁パッケージに暗号資産取引所HTXを追加した。8月23日以降、EU域内の個人および企業はHTXとの取引を禁止される。ただし、今回の措置はHTXの資産を凍結するものではなく、同社を包括的な制裁対象に指定するものでもない。
HTXは、7月23日に採択された第21次制裁パッケージに、運営会社「Huobi Global SA」の名称で掲載された。EU当局は、同社がロシアに対する制限措置の実施を大きく妨げていると判断した。この制裁パッケージの対象は個人・団体を合わせて218に上り、EUとしては過去4年間で最大規模となる。
取引禁止措置は、暗号資産関連サービスを提供する14のプラットフォームにも拡大された。これらのプラットフォームは、ジョージア、パナマ、アラブ首長国連邦、キルギス、ベラルーシなどで事業を展開している。また、アフリカで事業を拡大している国際決済ネットワーク「A7」に関係する4団体も制裁対象となった。
EUは今回、域外国から提供される暗号資産サービスを全面的に禁止できる仕組みを初めて導入した。この措置には、ロシア政府による制裁回避を支援するプラットフォームへインフラを提供している国々をけん制する狙いがある。
HTXは旧称をHuobiといい、2013年に中国で設立された。現在は、暗号資産TRON(トロン)の創設者である億万長者ジャスティン・サン氏が、所有者および顧問を務めている。
英国は5月、HTXを制裁対象に指定した。同取引所には、ロシア政府へ15億ドル以上を送金し、A7ネットワークにサービスを提供した疑いが持たれている。また、A7に関連するロシア・ルーブル連動型ステーブルコイン「A7A5」は、ロシアによる資金移動に利用されているとみられる。
HTXは一連の疑惑を否定し、制裁を正当化する十分な証拠はないと主張している。TRON、Ethereum、BNB Smart Chain、Solanaの各ネットワーク上でウォレットアドレスを変更したことについても、通常のセキュリティ対策の一環だと説明した。米国は現時点でHTXを制裁対象に指定していない。