EU、国外の暗号資産取引所への制裁を拡大

EUは、ロシアの制裁逃れを支援したとして、HTXなど14の暗号資産プラットフォームとの取引を禁止した。

EU、国外の暗号資産取引所への制裁を拡大

欧州連合(EU)は、ロシアに対する制裁を拡大した。ジャスティン・サン氏が所有する暗号資産取引所HTXをはじめ、計14の暗号資産プラットフォームとの取引が禁止された。制裁対象には、BitPapaやA7関連のネットワークなどが含まれている。

これらの企業は、アラブ首長国連邦、パナマ、ジョージア、マーシャル諸島、キルギス、ベラルーシで事業を展開している。今回の措置により、EU域内の個人や企業は、対象となった事業者と取引することができなくなった。

EU理事会によると、これらのプラットフォームは、制裁対象となっているロシアの組織による資金移動や規制の回避を支援していたという。なかでもHTXは特に注目されており、英国もすでに5月に同取引所との取引を禁止している。

HTXは、資産の凍結を困難にする目的で、準備資産を詳細不明の第三者へ移し、ホットウォレットの変更を繰り返すようになったとされる。その結果、制裁違反の可能性がある取引を監視することが難しくなった。

国際銀行間通信協会(SWIFT)の決済網から排除されたロシアは、原油の輸出や海外との貿易に暗号資産を利用し始めた。同時に、国内独自の暗号資産規制の整備も加速させている。ベネズエラやイランも、これに先立って同様の道を歩んでいた。

EUの新たな方針により、今後は域外で事業を行うプラットフォームだけでなく、国や地域全体が制裁の対象となる可能性もある。ブロックチェーン分析企業Chainalysisによると、規制当局は暗号資産企業が負うべき責任について、その見方を変えつつあるという。制裁対象の顧客を排除しないプラットフォームは、自らも欧州市場から締め出されるおそれがある。

今回の措置は、ロシアを支援する企業の活動を容認している国々に対する警告でもある。米国も同様の手段を講じており、イランとの関連が疑われる10億ドル超の暗号資産を凍結したほか、現地企業やその経営陣に制裁を科している。

Share