Visa、アフリカで国際送金にステーブルコインを活用する実証実験を開始

Visa、M-Pesa、Onafriqがステーブルコインを活用し、国際送金の高速化とコスト削減を目指す。

Visa、アフリカで国際送金にステーブルコインを活用する実証実験を開始

Visaは、コンゴ民主共和国において、ステーブルコインを活用したモバイル国際送金の決済に関する実証実験を開始した。このプロジェクトには、モバイル決済サービス「M-Pesa」と、アフリカの決済ネットワーク「Onafriq」も参加している。ブロックチェーン技術を活用することで、国境を越えた送金をより迅速かつ低コストで実現できるかを検証することが目的だ。

M-Pesaの利用者にとって、新しい仕組みはほとんど意識することなく利用できる見込みだ。ステーブルコインは決済処理の裏側でのみ利用されるため、ウォレットへの入金時間の短縮、企業向け国際決済の効率化、さらには海外送金手数料の削減が期待されている。

世界銀行によると、サハラ以南のアフリカ諸国への送金手数料は平均で送金額の約8%に達しており、世界で最も高額な送金ルートとなっている。従来のSWIFTネットワークを利用した送金では、複数の仲介銀行を経由するため、完了まで数日を要することも少なくない。各銀行が手数料を徴収する一方で、ブロックチェーンを活用した決済であれば、数分で処理を完了できるうえ、コストも大幅に抑えられる可能性がある。

今回、コンゴ民主共和国が実証実験の対象に選ばれた背景には、同国でモバイル決済サービスの普及が急速に進んでいることがある。この取り組みは、Visaが推進するデジタル通貨戦略の一環でもある。同社はこれまでにも、アフリカの暗号資産取引所Yellow Cardと提携し、国際決済や資金管理におけるステーブルコインの活用を検証してきた。

今回の実証実験は、アフリカの金融業界においてデジタルドルへの関心が高まっていることを示している。一方で、各国の規制当局にとっては新たな課題となる可能性もある。コンゴ中央銀行は長年にわたり、経済のドル化を抑制し、自国通貨であるコンゴ・フランの利用拡大を進めてきた。しかし、米ドルに連動するステーブルコインが普及すれば、モバイル決済システムに実質的な「デジタル米ドル」が導入されることになり、こうした政策とのバランスが問われることになりそうだ。

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