米商品先物取引委員会(CFTC)の執行部門トップは、予測市場におけるインサイダー取引が見過ごされることはないと警告した。デビッド・ミラー氏は、この分野ではインサイダー取引規制が適用されないと考えるのは誤りであると強調した。 予測市場とは、ユーザーが将来の出来事について賭けを行うプラットフォームである。選挙結果や政策決定、経済状況などを対象とし、参加者は実際にその出来事が起こるかどうかに応じて価値が変動する契約を売買する。 ニューヨーク大学での講演においてミラー氏は、規制当局がこの分野を注意深く監視していると述べた。また、非公開情報を利用したり他者に提供したりして利益を得る行為に対しては、厳格な措置を講じる方針を示した。一方で、軽微な事案については優先的に対応しない可能性があるとも付け加えた。 ここ数か月、予測市場におけるインサイダー取引は米国の政策立案者の間で重要な課題となっている。これらのプラットフォームの人気が急上昇し、月間取引額が200億ドルを超えたことで、その信頼性に対する懸念が高まっている。 ミラー氏は、イベントに基づく契約はギャンブルではなく、スワップと呼ばれる金融商品であると説明した。そのため、市場の不正行為防止やマネーロンダリング対策などの金融規制の対象となる。 規制当局の懸念は、重要な政治的発表の直前に行われた的確な取引の事例によってさらに強まった。あるケースでは、匿名の投資家がニコラス・マドゥロ大統領の拘束に賭けて40万ドル以上の利益を得たとされる。また、地政学的な出来事に関連する不審な取引も確認されており、国家安全保障への影響も懸念されている。 こうした圧力を受け、KalshiやPolymarketといったプラットフォームは、インサイダー取引を防止するための新たなルールを導入した。 同時に米国では、規制強化に向けた法案も提案されている。特に、公務員が内部情報を利用して予測市場で取引を行うことを防ぐため、明確なガイドラインの策定を求める声が高まっている。