日本銀行、預金決済におけるブロックチェーンの実証実験を開始
日本銀行が管理されたサンドボックス環境で預金決済へのブロックチェーン活用を検証。
日本銀行は、ブロックチェーン技術を活用した預金決済の実証実験を開始しました。植田和男総裁によると、本プロジェクトは管理されたサンドボックス環境で実施される技術的な検証実験です。
主な目的は、民間銀行が中央銀行に保有する当座預金を、ブロックチェーン基盤のシステム上で決済できるかどうかを確認することです。実験では、国内の銀行間決済や有価証券の清算・決済も対象となります。また、新たな仕組みを既存の金融インフラとどのように統合できるかの検証も重要なテーマとなっています。
特に、日本銀行金融ネットワークシステム(BOJ-NET)との連携が重点的に検討されます。植田総裁は、今回の実験から得られる知見が、将来的に現行の決済ネットワークの高度化につながる可能性があると述べました。
総裁はさらに、本プロジェクトは外部の専門家の協力を得て進められており、新たな金融政策の導入を意味するものではないと強調しました。これはあくまで、分散型台帳技術の金融システムへの応用可能性を探る研究段階です。一方で、スマートコントラクトに伴うリスクにも言及し、設計上の不備が金融市場や決済システムの安定性を損なう恐れがあると警告しました。
日本銀行の取り組みは、日本におけるデジタル資産規制の広範な動きとも歩調を合わせています。2025年には金融庁が、一部トークンを金融商品取引法の規制対象に含めることについての意見募集を実施しました。政府はまた、「新しい資本主義2025」成長戦略の一環として、ブロックチェーンやトークン化を重要分野に位置付けています。
同時に、日本のステーブルコイン市場も発展を続けています。2025年10月27日には、JPYCが改正資金決済法に基づき、日本初の円連動型ステーブルコインを発行しました。さらに、ソニー銀行はJPYCと基本合意書を締結し、銀行口座から直接デジタル円を購入できる即時送金ソリューションの可能性について共同で検討を進めています。