テクノロジーセクターから数十億ドルが流出
AI関連コストの増加と割高な株価がテクノロジー企業を圧迫。XLKから87億ドルが流出した。
人工知能(AI)関連ソリューションへの需要は依然として高いものの、テクノロジー株は大幅に下落している。問題はAIへの関心不足ではない。コストの上昇や割高な株価に加え、巨額投資がいつ期待どおりの利益を生み始めるのか、先行きが不透明なことが懸念材料となっている。
テクノロジー・セレクト・セクターSPDRファンド(XLK)では、直近1カ月で87億ドルの資金が純流出した。S&P500の構成銘柄を対象とするセクター別ETFの中で、最大の流出額となった。同期間にXLKは5.4%下落し、このグループで最も低調なパフォーマンスを記録した。The Kobeissi Letterが報じた。
XLKには、ハードウェアや半導体のメーカーをはじめ、ソフトウェア開発会社、ITサービス企業などが含まれている。今回の資金流出は、一部企業だけの問題ではなく、テクノロジー業界全体に対する警戒感の高まりを示している。
主な懸念の一つが、AIへの投資額である。大手テクノロジー企業は、2026年にAI分野へ約6,000億ドルを投じる計画を立てていた。投資家は現在、これほど巨額の支出が実際に売上や利益の増加につながっているのかを、これまで以上に厳しく見極めている。高い期待に応えられない企業は、市場で大きく売られる傾向にある。
特に強い圧力を受けているのがソフトウェア企業だ。企業は予算の一部をアプリケーションやサービスから、データセンター、サーバー、半導体、ネットワークインフラへと移している。IBMは、こうした変化に十分対応できなかったことを認めた。売上高見通しが市場予想を下回ったことで、同社の株価は25%下落し、売りの動きはほかのソフトウェア関連銘柄にも広がった。
一方、資金はほかの業種へ移りつつある。金融セレクト・セクターSPDRファンド(XLF)には、21億ドルが純流入した。エネルギー・セレクト・セクターSPDRファンド(XLE)からは10億ドル、コミュニケーション・サービス・セレクト・セクターSPDRファンド(XLC)からは5億ドルが流出した。
今後のテクノロジーセクターの動向は、企業がAI投資による具体的な利益を示せるかどうかに左右されるだろう。現時点で市場は、巨額の投資を業績の成長につなげられる企業と、投資家の期待に応えられない企業を明確に選別している。