リップルとサークル、規制当局の決定を待つ

米銀行業界、明確な規制整備まで暗号資産系トラスト銀行ライセンスの停止を要請。

リップルとサークル、規制当局の決定を待つ

米国では、暗号資産(仮想通貨)企業を従来の銀行システムにどのように位置づけるべきかをめぐり、新たな議論が巻き起こっている。その中心にあるのが、ナショナル・トラストバンクの認可取得を目指すリップルとサークルだ。

2月11日、米国最大の銀行業界団体であるアメリカ銀行協会(ABA)は、通貨監督庁(OCC)に対し、暗号資産関連企業への新たなナショナル・トラストバンク認可の発行を一時停止するよう求める書簡を送付した。ABAは、まず連邦議会がステーブルコインおよびデジタル資産に関する明確な法整備を行うべきだと主張している。

同協会は、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーといった米国最大級の金融機関に加え、数千の地域銀行・地銀を代表している。

これに先立つ12月12日、OCCはナショナル・トラストバンク設立申請5件に対し条件付き承認を発表した。承認を受けたのは、リップル、サークル、BitGo、Fidelity Digital Assets、Paxosである。各社がすべての規制要件を満たせば、OCCの監督下にある約60の同種機関に加わることになる。

OCCのジョナサン・V・グールド長官は、新たな事業者の連邦銀行システム参入は競争とイノベーションを促進し、消費者の金融サービスへのアクセス拡大にもつながる可能性があると強調している。

ナショナル・トラストバンクは、従来の銀行とは大きく異なる。預金の受け入れや融資は行わず、主に資産のカストディ(保管)、決済、エスクロー業務を担う。このモデルは、暗号資産インフラやトークン化資産との親和性が高いとされる。リップルやサークルにとっては、小売銀行のバランスシートリスクを負うことなく、連邦レベルの監督と信頼性を得られる点が大きな利点となる。

一方でABAは慎重姿勢を崩していない。認可をGENIUS法案への適合に関連づけることを批判し、同法の全面施行には数年を要し、複数の連邦機関による追加規則が必要になる可能性があると指摘している。また、2022年に発生したFTXやセルシウスの破綻を例に挙げ、新たなビジネスモデルは監督上、複雑な課題を生む可能性があると警告する。さらに、預金を受け入れない機関が「銀行」という名称を使用することは、顧客に誤解を与える恐れがあるとも主張している。

伝統的な銀行は、リップルのような企業が銀行資格を得て連邦準備制度のシステムへ直接アクセスすることに警戒感を示している。これは決済・清算分野における実質的な競争を意味するからだ。暗号資産企業は一般に、より高速で近代的なインフラを活用し、運営コストも低い傾向がある。そのため、主要な市場分野において既存銀行の地位を揺るがす可能性がある。

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