クレジットカード金利上限に反発する銀行
トランプ氏の金利上限制案に対し、米銀行は信用供給の縮小と景気への悪影響を警告している。
米国の大手銀行は、**ドナルド・トランプ**大統領が提案したクレジットカード金利の上限設定に強く反発している。大統領は、消費者の生活費負担を軽減するため、1年間に限り金利を10%に制限する考えを示した。しかし金融機関は、この措置が自社のビジネスモデルを損ない、経済全体に悪影響を及ぼす可能性があると警告する。
JPモルガン・チェース、シティグループ、**ウェルズ・ファーゴ**の最高財務責任者らは、金利上限が導入されれば、特に信用力の低い顧客向け融資の採算性が低下すると指摘する。その結果、銀行はクレジットカードの提供を制限せざるを得ず、経済成長の鈍化につながる可能性があるという。シティグループは、消費者自身にも予期せぬ不利益が及ぶ恐れがあると付け加えている。
トランプ氏は、カード会社が20~30%に達する過度に高い金利を課していると主張する。**Bankrate.com**のデータによれば、現在の米国におけるクレジットカードの平均金利は約19.6%だ。さらに、クレジットカードは国内の小売決済の約70%を占めており、日常消費における重要性の高さを示している。
一方で、銀行側の懸念は誇張されていると見る専門家もいる。学術的な分析では、金利上限は金融セクターの利益を圧迫するものの、信用供給が大幅に縮小する事態には至らないとされる。ただし別の専門家は、消費者が規制の緩い、よりリスクの高い借入手段へ追いやられる可能性を指摘している。
この大統領案は政治的に賛否が分かれており、**米国議会**を通過するかどうかは不透明だ。実現には新たな法律の制定が必要で、共和党内からも懐疑的な声が上がっている。それでも、選挙を控える中で、信用コストの問題は重要な争点となりつつある。
米国では家計債務が過去最高水準に達している。最新データによると、家計債務総額は約18兆5,900億ドルに上り、1世帯当たり平均で10万5,000ドルを超える。住宅ローンが最大の割合を占める一方、クレジットカード債務も無視できない規模で増加を続けている。平均的な米国の世帯は約9,300ドルのカード残高を抱え、高金利が家計を圧迫している。こうした状況下では、カード金利の引き下げが多くの家庭の返済負担を軽減し、資金繰りの改善につながる可能性がある。