ロナウドの暗号資産ディープフェイク
AIで生成された偽動画が、クリスティアーノ・ロナウドによる架空の暗号資産「USWR」の推奨を装った。
詐欺グループが、クリスティアーノ・ロナウドの肖像を悪用し、架空の暗号資産「USWR」を宣伝していたことが明らかになった。7月初旬から、ロナウドがこの暗号資産への投資を呼びかけているように見える加工動画がインターネット上で拡散されている。しかし実際には、ロナウドがそのような発言をした事実はない。
この偽動画は、ロナウドがFIFAワールドカップ2026の期間中に行った本物のインタビュー映像をもとに作成された。元の映像ではサッカーについて語っていただけだったが、詐欺グループは映像をそのまま使用し、人工知能(AI)を使って音声だけを差し替え、架空の暗号資産「USWR」を宣伝する内容へと改変した。動画は最終的に、偽トークンを宣伝するウェブサイトへ利用者を誘導していた。
著名人の知名度を悪用して偽の投資案件を宣伝する手口は、今回が初めてではない。クリスティアーノ・ロナウドは、長年にわたりインターネット上で最もなりすまし被害の多いスポーツ選手の一人であり、その知名度の高さから、このような偽コンテンツは短期間で広く拡散しやすい。
生成AIの急速な普及に伴い、この種の詐欺は世界的に増加している。米国連邦取引委員会(FTC)によると、2025年には「なりすまし詐欺」が最も多く報告された詐欺の種類となった。被害総額は35億ドルに達し、その多くでAIによって生成された音声や動画が悪用されている。また、2025年に報告された金融詐欺の約30%はSNSをきっかけに始まっており、有名人を装った偽広告は、犯罪者が最も頻繁に用いる手口の一つとなっている。