ブラジル、暗号資産の差し押さえを許可
犯罪関連の暗号資産差し押さえを可能にし、期待と懸念が広がる。
ブラジルは暗号資産の規制に向けて重要な一歩を踏み出した。2026年3月26日、フェデラル政府の大統領である Luiz Inácio Lula da Silva は法律第15,358号に署名し、組織犯罪に関連するデジタル資産の差し押さえを当局に認めた。
新たな規定により、重大な犯罪との関連を示す証拠がある場合、当局は暗号資産を凍結し売却することが可能となる。ただし、そのような措置は裁判所の承認が必要であり、正当な利用者を保護するための仕組みとなっている。
差し押さえられた資産から得られる資金は、公共の安全確保のために使われる。具体的には、警察活動の支援、サイバーセキュリティの強化、犯罪防止対策などが含まれる。当局は、これにより暗号資産が違法活動に利用されるケースの減少を期待している。
この法律は賛否両論を呼んでいる。支持者は、金融犯罪への対策が強化されると評価する。一方で批判的な立場からは、国家の権限が広がりすぎることで、一般の暗号資産利用者にも影響が及び、市場に不確実性をもたらす可能性があるとの懸念が示されている。
実際の運用には課題も多い。暗号資産は分散型ネットワーク上で機能し、一定の匿名性を持つため、不正取引の追跡が困難である。このため、司法による監督が重要な役割を果たすと見られている。
専門家は、ブラジルの取り組みが中南米諸国にとって一つの指針となる可能性を指摘している。強力な捜査手段と司法の統制を組み合わせたモデルは、今後の規制の参考となるかもしれない。
当面は、これらの規定は主に重大な事件に適用される見込みである。その有効性は、他国の暗号資産規制の方向性にも影響を与える可能性がある。ブラジルは、安全性の向上と市民の権利保護のバランスを模索している。